身体を壊してまで仕事を続けることは無い

働いていると、ストレスが溜まる場面は少なくない。周りとしっくりいかない、とか、仕事が単調でつまらない、とか、忙しすぎて体力が持たない、とか、もっと興味の持てることをしてみたい。理由は人それぞれである。仕事なんだから、甘えた事を言うなという意見もあるし、多少のストレスがあっても元気に働けるのであれば、大きな問題ではない。

 

しかし、働いている人の10人に1人が鬱病という調査結果もある。どこでも1つの部署に1人はいるというような計算になるだろうか。そう思うと他人事ではない。人生の中で仕事が占める割合は大きいから、病気になるのは精神的、経済的に大きなダメージになる。身体を壊してしまうと、元のパフォーマンスを取り戻すのには最低でも1年くらいはかかってしまう。

 

大企業であれば、社内の部署の異動で環境を変えられる可能性もある。でも、自分の思い通りに部署を選べる訳ではない。中小企業だと、そもそも異動には期待できない。仕事が辛くなくても業績が思うようでない会社では将来の不安もある。このような状況を改善したいとなると、どうしても転職を選ぶことになる。

 

そうは言っても簡単に辞められないのが本音だろう。転職にリスクはつきものだ。今の職場がイマイチだからといって、新しい職場が自分に合うとは限らない。もっと状況が悪くなるかもしれない。だから職場を変えることを躊躇してしまう。周囲で転職で状況が悪くなった、なんて話を聞くとなおさらだ。

 

転職を考えるよりも、このままの方が無難だ。ここで頑張っていれば、給与も頂ける。今の仕事にも責任があるし、このままいれば状況が変わる時も来るだろう。そう思う気持ちも理解できる。でも、ストレスを抱えて仕事を続けていると、やる気もなくなってくる、周囲も気づくから評価も下がってくる。しまいには、病気になってしまうこともある。

 

そんな風に追い込まれないようにする為には、この職場が全てではない、他の選択肢もあるのだ、と思えるようにしておくことだ。少々厳しい状況になっても、職場を変えられる可能性を担保しておくことによって、自分の置かれた状況を客観視することができる。それが結果的に自分を守ることになる。

 

他の職場を知らないから、今の状態が良いのか悪いのか比較が出来ないのだ。だから、辞める気があっても無くても、まず「転職活動」をしてみるべきだ。常に自分の市場価値を測っておくのは重要だ。転職活動することは無料でできる。ネットを開けば転職サイトなんてたくさんある。どんな募集があるのか眺めてみるだけでもいい。登録の為に職務経歴書をまとめてみると自分を見つめ直すことにもなる。仮に転職で給与が下りそうなら、今の生活を見直してみてもいい。

 

新卒の就活に苦労した人なら、必要もないのに面接なんか行きたく無いと思うだろう。しかし、仕事がある状態なら、気に入らない会社は行かなければ良い。それに、切羽詰まった状態で転職活動をするのは、もっと辛いことだ。藁をもすがる思いで転職活動をすると、どうしても選ぶ目が曇る。採ってもらえた安心感が、必要以上に相手が良く見えてしまう。自分が自信ない状態なのは、相手にも見透かされる。条件面でも足元を見られる。後悔しない転職活動をするには、余裕のある時から準備を始めることだ。

 

転職が難しいのは、新しい職場か自分にとってどんなところなのか正確に把握する事が出来ないということだ。仕事内容は良くても、新しい環境が自分に合わない、周囲の人たちに馴染めないというのは、辛いことだ。転職して体調を崩してしまうくらいなら、変えない方がマシだ。気持ちよく働くには仕事内容だけでなく、どんな環境で働くのか?という事も大事だ。

 

転職活動は、採用側から選ばれるのを待つ一方的なものではない。応募側も相手を選ぶ場である。「お見合い」みたいなものだと言ってもいい。面接は、自己アピールをするとともに、相手の会社の事を知る為にある。気になることは遠慮なく確認しておくべきだ。あなたが確認すべきなことは、仕事内容や雇用条件だけではなく、職場環境や、その会社の持つ価値観だ。

 

例えば、最近よく話題になる、働き方だが、成果を重視すれば、個人の裁量は大きくなる可能性が高い。頑張れば報われるとなると、どうしても仕事の時間は長くならやすい。逆に、時間内で終わらせることを良しとすると、周囲と合わせて業績を推進するチームプレイが必要となるから、個人の頑張りや自由なやり方は制限されるだろう。

どちらが良いということではなく、あなたが、どんな仕事をしたいか、何を重視するかによって変わる。ストレスの感じ方は個人差がある。あなたは、どんな働き方をしたら力を発揮できるのか、何をストレスと感じるのか、仕事人生を振り返って考えてみるといい。やりたい仕事ができればなんでもいい訳ではなく、あなたの価値観に合う会社を選んばないとうまくいかない。

 

納得できる仕事と環境が見つかって、なおかつオファーを頂けたなら、実際に転職するかどうか決めるのだ。そこで辞退することも可能だ。面接では調子の良い事を言ってたのに、いざ現場に入ったら暖かく迎えるような雰囲気ではなかったなんてこともザラにある。いきなり前任者のトラブルを謝ることから始まる仕事だってある。

 

採用する側の立場で考えてみると、通常であれば、新卒なりの定期採用で人員は足りているはず。それでも採用しなきゃならない理由は1つで、なんらかのトラブルだ。人がやめた。人が倒れた、急な事業拡大で人が足りない。組織が大きくなったがまとめる人がいない。そんな風に組織にトラブルがあるから、その解決手段の一つとして人を採用するのである。

 

そのようなリスクを抱えてでも、職場を変えるのかどうか。最後はあなたの意思で決めることである。色々な可能性を考えた結果、同じ職場にいることになったとしても、そう決めたあなたの選択は間違っていない。それに転職活動をしたことも無駄にはならない。行動する前と後では大きく視野が広がっているだろう。今の仕事も違って見えるはずだ。選択できる未来を人任せにするのではなく、あなた自信が決めること、これが一番大事なことなのだ。