職場で認められるには時間がかかる

職場を変えるのは不安がつきものだ。周りとうまくやれるのか、仕事はスムーズにこなせるだろうか、いつになったら成果を出せるのか。それを決めるのは、あなたの頑張りだけではない。一定の期間が必要になる。

 

僕の5回の転職経験を踏まえて言うと、どの職場でも、自分の意識と周りの目が変わってくるタイミングは共通していた。それは「3の倍数」の期間だ。3日、3週間、3ヶ月、1年(12ヶ月)、3年といったところだ。

 

転職を決めてから、ついに迎える初出社日。緊張する面持ちで職場に向かう。迎える相手もよそよそしい感じがする。でも、不思議と3日もたつと会社の雰囲気に慣れてくる。なんとなく周りの人の顔を覚える。相手も顔を覚えてくれて、挨拶しても自然になってくる。席に着くことに違和感がなくなって、居場所があることに安堵する。

 

仕事を引き継いだり、指示を受けたりしていると、慌ただしく毎日が過ぎていく。それがひと段落するのが3週間過ぎた頃だ。席に座ると、とりあえずやることがあるし、周囲の状況も冷静に見ることができるようになる。 職場の環境に馴染んだと安心感を持てるのはこの頃だ。

 

慣れない中で、試行錯誤を繰り返しながら与えられた仕事に取り組んでいると、急に出来るようになる時がある。ちょうど入社から3ヶ月頃だ。仕事の流れも見えてきて、自分が何を求められるのかわかってくる。そうなれば自分から行動を起こせるようにもなる。周りにも溶け込んで職場の一員という自覚ができる。

 

余談になるが、派遣で働く人が辛いのは、この3ヶ月で契約更新の不安を抱えるからだ。3ヶ月で終わると、その職場で得られるものは少なくなってしまう。それからも3ヶ月毎に契約終了する可能性があると思うと、腰を据えて仕事に取り組んでいこうという気持ちを持ち続けるのは難しい。

 

そして、1年(12ヶ月)すると、自分の役割りを全うできるようになる。会社は1年単位で仕事が回っているから、だいたい一通りの仕事を経験したことになる。これまでに取り組んだ経験を持っているから、次にやる時には結果が予測できるようになる。だから自分の意思で動けるようになる。一人前として仕事が回せるようになる。

 

さらに成果を積み上げていくと、周囲からの信頼も厚くなる。後から加わる人もでてくるから先輩として見られるようにもなる。3年も経つと周りがあなたの発言をしっかりと聞いてもらえるようになる。社内での影響力も高まり自由に振る舞うことができるようになる。

 

どこの職場でも、だいたいこのような期間を経て、あなたの評価が一つずつ上がっていく。だから転職で不安を感じても目の前の仕事をこなしていけば、評価は自ずとついてくる。ただし、転職を繰り返すと、その度に1年くらいのキャリアロスが発生することは覚えておいた方がいい。

 

あなたが20代であれば、さまざまな経験も学びになるので、大きな問題にはならない。しかし、30歳を過ぎて転職するなら、このロスを勘定に入れておく必要がある。いくら、あなたが出来る人だとしても、それを周囲に認めてもらえないことには、十分に力を発揮することができない。職場の生え抜き社員や、前の職場に残った友人に出世や給与で先を越されるかもしれない。

 

自分の意思で転職を選んだのなら、そこで焦ってはいけない。自分のペースを守っていれば、早晩、追いつくこと、追い越すこともできる。それを我慢できずに、短期間で実力が認められないからと焦って転職をしてしまうと、かえって活躍出来るタイミングを逃してしまう。

 

採用側として履歴書を見ると、1年前後で職場を転々としている人がいる。仕事の経験は認めるものの、周囲の信頼を得て仕事をした、という評価はできない。仮に能力はあっても周囲とうまくやれるのか、大きな仕事を任せれられるのか、と疑問を感じてしまう。

 

40歳を前に転職しようとすれば、採用側の要求もさらに高くなる。それまでの経験を活かした現場のリーダーシップやマネジメントが求められる立場になる。職場を転々としている人には、その期待はできないと感じる。そうなると専門職として資格があるとか、よっぽど優秀でない限り、条件を大きく落とさなければ、転職は難しいだろう。

 

転職を前に不安になることは誰でもある。それは時が解決してくれるから肩の力を抜いた方がいい。だから、少々うまくいかなかったからといって、じたばたせずに、周りが見えてくるまで少し待ってみると良い。信頼は一日して成らず。迷う時もあるけれど、自分を信じて進んでいけば、自ずと道は開けてくるはずだ。

 

身体を壊してまで仕事を続けることは無い

働いていると、ストレスが溜まる場面は少なくない。周りとしっくりいかない、とか、仕事が単調でつまらない、とか、忙しすぎて体力が持たない、とか、もっと興味の持てることをしてみたい。理由は人それぞれである。仕事なんだから、甘えた事を言うなという意見もあるし、多少のストレスがあっても元気に働けるのであれば、大きな問題ではない。

 

しかし、働いている人の10人に1人が鬱病という調査結果もある。どこでも1つの部署に1人はいるというような計算になるだろうか。そう思うと他人事ではない。人生の中で仕事が占める割合は大きいから、病気になるのは精神的、経済的に大きなダメージになる。身体を壊してしまうと、元のパフォーマンスを取り戻すのには最低でも1年くらいはかかってしまう。

 

大企業であれば、社内の部署の異動で環境を変えられる可能性もある。でも、自分の思い通りに部署を選べる訳ではない。中小企業だと、そもそも異動には期待できない。仕事が辛くなくても業績が思うようでない会社では将来の不安もある。このような状況を改善したいとなると、どうしても転職を選ぶことになる。

 

そうは言っても簡単に辞められないのが本音だろう。転職にリスクはつきものだ。今の職場がイマイチだからといって、新しい職場が自分に合うとは限らない。もっと状況が悪くなるかもしれない。だから職場を変えることを躊躇してしまう。周囲で転職で状況が悪くなった、なんて話を聞くとなおさらだ。

 

転職を考えるよりも、このままの方が無難だ。ここで頑張っていれば、給与も頂ける。今の仕事にも責任があるし、このままいれば状況が変わる時も来るだろう。そう思う気持ちも理解できる。でも、ストレスを抱えて仕事を続けていると、やる気もなくなってくる、周囲も気づくから評価も下がってくる。しまいには、病気になってしまうこともある。

 

そんな風に追い込まれないようにする為には、この職場が全てではない、他の選択肢もあるのだ、と思えるようにしておくことだ。少々厳しい状況になっても、職場を変えられる可能性を担保しておくことによって、自分の置かれた状況を客観視することができる。それが結果的に自分を守ることになる。

 

他の職場を知らないから、今の状態が良いのか悪いのか比較が出来ないのだ。だから、辞める気があっても無くても、まず「転職活動」をしてみるべきだ。常に自分の市場価値を測っておくのは重要だ。転職活動することは無料でできる。ネットを開けば転職サイトなんてたくさんある。どんな募集があるのか眺めてみるだけでもいい。登録の為に職務経歴書をまとめてみると自分を見つめ直すことにもなる。仮に転職で給与が下りそうなら、今の生活を見直してみてもいい。

 

新卒の就活に苦労した人なら、必要もないのに面接なんか行きたく無いと思うだろう。しかし、仕事がある状態なら、気に入らない会社は行かなければ良い。それに、切羽詰まった状態で転職活動をするのは、もっと辛いことだ。藁をもすがる思いで転職活動をすると、どうしても選ぶ目が曇る。採ってもらえた安心感が、必要以上に相手が良く見えてしまう。自分が自信ない状態なのは、相手にも見透かされる。条件面でも足元を見られる。後悔しない転職活動をするには、余裕のある時から準備を始めることだ。

 

転職が難しいのは、新しい職場か自分にとってどんなところなのか正確に把握する事が出来ないということだ。仕事内容は良くても、新しい環境が自分に合わない、周囲の人たちに馴染めないというのは、辛いことだ。転職して体調を崩してしまうくらいなら、変えない方がマシだ。気持ちよく働くには仕事内容だけでなく、どんな環境で働くのか?という事も大事だ。

 

転職活動は、採用側から選ばれるのを待つ一方的なものではない。応募側も相手を選ぶ場である。「お見合い」みたいなものだと言ってもいい。面接は、自己アピールをするとともに、相手の会社の事を知る為にある。気になることは遠慮なく確認しておくべきだ。あなたが確認すべきなことは、仕事内容や雇用条件だけではなく、職場環境や、その会社の持つ価値観だ。

 

例えば、最近よく話題になる、働き方だが、成果を重視すれば、個人の裁量は大きくなる可能性が高い。頑張れば報われるとなると、どうしても仕事の時間は長くならやすい。逆に、時間内で終わらせることを良しとすると、周囲と合わせて業績を推進するチームプレイが必要となるから、個人の頑張りや自由なやり方は制限されるだろう。

どちらが良いということではなく、あなたが、どんな仕事をしたいか、何を重視するかによって変わる。ストレスの感じ方は個人差がある。あなたは、どんな働き方をしたら力を発揮できるのか、何をストレスと感じるのか、仕事人生を振り返って考えてみるといい。やりたい仕事ができればなんでもいい訳ではなく、あなたの価値観に合う会社を選んばないとうまくいかない。

 

納得できる仕事と環境が見つかって、なおかつオファーを頂けたなら、実際に転職するかどうか決めるのだ。そこで辞退することも可能だ。面接では調子の良い事を言ってたのに、いざ現場に入ったら暖かく迎えるような雰囲気ではなかったなんてこともザラにある。いきなり前任者のトラブルを謝ることから始まる仕事だってある。

 

採用する側の立場で考えてみると、通常であれば、新卒なりの定期採用で人員は足りているはず。それでも採用しなきゃならない理由は1つで、なんらかのトラブルだ。人がやめた。人が倒れた、急な事業拡大で人が足りない。組織が大きくなったがまとめる人がいない。そんな風に組織にトラブルがあるから、その解決手段の一つとして人を採用するのである。

 

そのようなリスクを抱えてでも、職場を変えるのかどうか。最後はあなたの意思で決めることである。色々な可能性を考えた結果、同じ職場にいることになったとしても、そう決めたあなたの選択は間違っていない。それに転職活動をしたことも無駄にはならない。行動する前と後では大きく視野が広がっているだろう。今の仕事も違って見えるはずだ。選択できる未来を人任せにするのではなく、あなた自信が決めること、これが一番大事なことなのだ。

 

敢えて違う道を進みたいなら

誰しも、もう一度生まれ変われたらいいのに、と思ったことがあるだろう。チャンスがあれば、もっと自分は活躍できるはず。そうしたら、もっと大事にされて、いい給与をもらえるはずだ。さなぎから蝶になるように、一夜にして新しい自分に生まれ変わることができたならどんな人生が待っているのだろうか。

 

採用をしていろんな応募者の経歴を見ていると、転職にキャリアアップではなく、キャリアチェンジを求める人が多いように見える。今の仕事に満足できないのか、やってみたけど自分には向いて無いと思ったのか。動機はそれぞれあるだろうけど、今の仕事とまったく関連のない職種を希望する人がたくさんいる。新しい環境で一からやり直す事ができたら、新しい才能が芽生えてくるはずだと思うのだろうか?

 

大きなお世話かもしれないが、それはなかなか難しいことだ。なぜなら、あなたは、未来を見て転職を決意する。こんなことをやりたい!できるようになりたい!という視点で転職先を選ぶ。では、相手はどうだろうか?どんな仕事ができるのか?求める役割が務まりそうなのか?それを履歴書、いわば、あなたの過去を見て判断する。ここにギャップがある。

 

中途採用において求めるものは、当然ながら即戦力だ。求める役職に対して、これまでの経験や実績を見て判断するのである。いくら、自分ではその仕事ができると思っても、実績がなければ選ばれるのは難しい。「未経験OK」と求人票に書かれていたとしても、経験者と未経験者の2人の応募があったなら、迷う事なく経験者を採るだろう。


「学ぶ機会を与えてくれればできます」という人もよくいる。しかし、世の中そんなに優しくはない。それはお金を払って学校でやることであって、職場は自分の能力を提供して対価を得るところである。できないとわかっていて任せる人なんていない。今あなたが出来ることをやるしかないし、キャリアとは、そのささやかな積み上げでしかない。

 

だからといって悲観する事ではない。誰だって始めて経験するタイミングはある。キャリアが過去の積み上げであるならば、それが、あなたにとってどれだけ捨て去りたい過去だとしても、それにすがるしか道はない。そこで学んだこと、取り組んだこと、人間関係、全てを否定することはない。

 

まずは、なるべく過去の実績とつながりのある職場を選ぶことだ。同じ業界の違う仕事でも良い。違う業界の同じ仕事でも良い。接客していたなら営業が務まるかもしれない。飲食店にいたなら、食品業界なら評価してくれるかもしれない。やってきたことを、少しでもプラス評価してくれる相手を選ぶ方が有利だ。

 

あなたが大きくキャリアチェンジを考えているなら、少し回り道に感じるとしても、段階を踏んで、実績を積み上げていくことも考慮に入れた方がいい。なぜなら、未経験で1回きりの転職でいい仕事にありつくのは難しい。経験がないから、職場を選ぶ目も乏しいからだ。だから、最初は知り合いを頼るのもいい。コネがあるなら、迷わず使うといい。そして1年と言いたいところだが、3ヶ月でもかまわない。少しでも関係しそうな仕事に就かせてもらう。まずは未経験を脱出するために、何かしらの経験を得るための仕事と割り切っていくことで、新しい扉を開くカギを手に入れるのだ。

 

段階的に転職をしていく上で気をつけるべき事がある。あなたは腰掛けと思っていても、仕事である以上、責任がついてくる。仕事を覚えられればいいと独りよがりの態度だったり、どうせ辞めるからと無責任な振る舞いをしていたら、手痛いしっぺ返しを食らうだろう。

 

特に同じ業界で転職すると、面接の後に、前の職場に確認されるなんてことはザラにある。嘘をつくのは論外だが、勤務態度が悪かったり、喧嘩別れしたら、それが伝わることもある。辞める時は特に気をつけておいた方がいい。後腐れなく辞めるためには、後に引き継ぐ人に、きちんと気を配っておくべきだ。

 

一夜で違う自分に生まれ変わることはできない。それと同じで、新しい分野の仕事に切り替えるキャリアチェンジは時間がかかる。本当にやりたいことがあるのなら、今は満足できない職場でも、転職する前に経験すべきことがあるかもしれない。仮に転職した結果が思うようでなくても、次につながるようにすればいい。なりたい自分になることを諦めてはいけない。一度きりの人生は、あなたのものだ。

 

父が旅立った

別れは突然やってくる

明け方、枕元の携帯電話が鳴った。父が倒れたという母からの電話だった。慌てて病院に駆けつけると父はベッドで横になっていた。医者は、もう意識が回復する見込みは無いという。入院手続きを済ませて、別れた5時間後にあっさりと旅立った。もう、未練はないと言うかのように、あっという間の出来事だった。

 

死は予想出来ない

母が言うには、前日に特に変わった様子はなかったという。いつもと同じように、買い物に言って、いつもと同じように食事をして、いつもと同じように布団に入った。夜にトイレに起きるのもいつも通り。いつもと違っていたことは1つだけ、そこから自分で出てこられなかったこと。

 

生と死の境界線

生者でないと病院にはいられない。病院には喪服を着た葬儀屋さんが、父を引き取りに来た。家に帰って布団に寝かせると、そこには父が普通に眠っている様に見える。でも、息をしていない、動かない。魂が抜けると、人から物に変わる。今そこにあるのは父と同じ形をしたリアルな彫像のようなもの。触ると冷やっとするのは、設定温度を下げたエアコンのせいだろうか。

 

その瞬間に何を思ったのか

死の直前には、これまでの人生が、走馬灯のように現れる、という話しをよく聞く。父はその瞬間に何を見たのだろうか。生まれ育った伊豆の風景だろうか。10人いた兄弟の顔だろうか。母との結婚式だろうか。仕事場での同僚とのやりとりだろうか。好きだった海で蟹や貝を獲ったことだろうか。僕を連れて動物園に遊びに行ったことだろうか。妹と遊びにきた孫の顔だろうか。父の人生は満足だったのか、心残りがあったのか。それはもう知る由もない。

 

生活は慎ましく

父は質素倹約を旨として慎ましく生きた。唯一こだわったのは、家族と住む家だ。どうしても持ち家が欲しいと借金をして手に入れた中古の一軒家。父は無駄なお金は使わないと言って、なんでも自分の手でやった。サッシを付け替え、壁を塗りかえ、車庫も作った。お世辞にも素晴らしい出来栄えではないが、住むことにおいては不自由もない。平日は働いて、土日に作業するのだが、それを面倒とか辛いとか聞いたことはなかった。

 

見送りも慎ましく

もともと寡黙な人だったが、歳をとってからは耳が聞こえなくなって、ますます話しをしなくなった。好きだった海も、車を手放してからは遠のいて、家にいることが多かった。お骨なんて海に撒いてくれればいい、が口癖だったから、大きな葬式を望んでいるとは思えない。最後は家族と親族で静かに見送った。

 

旅立つ先は

死んだらどこに行くのだろうか。肉体から離れて自由になった魂はどこに行くだろうか。お坊さんの言うように三途の川を渡っているのだろうか。父は海が好きだったから、海に向かうのだろうか。それとも、見てみたいと言っていた世界の国々をまわるのだろうか。あるいは、父が語らなかった思い出の場所がどこかにあるのだろうか。今はどこにいるのだろう。

 

残された僕らは

父が倒れてからは慌ただしい1週間だった。ただ、そこにいた人が居なくなって、骨という物に変わってそこにある。まだ物になっていない僕らは、お腹も減るし、息子の世話もしなきゃならない。仕事も滞ったままだ。変わらない毎日が続く。変わったのは胸の内。この毎日の果てにあるものは、死なんだという実感。いつか訪れるその瞬間のために、とにかく今日を生きようと思う。昨日の台風が嘘のように、今日の東京は青空が広がっている。

 

 

 

 

選べたかもしれない人生を悔やまない

昔から「石の上にも3年」と言われる。一人前に成功するためには、3年は石にかじりついても辛抱しなければならないということ。古臭い考えだ、と言われる事も多いが、この裏付けになるような研究も話題になった。

 

「1万時間の法則」というものだ。他人より秀でた人達の生き方を研究すると、共通するのは1万時間の鍛錬の期間があるということ。1万時間とは、1日9時間365日休みなく取り組んで3年かかる計算になる。

 

もちろん単純に期間で区切る説には反論もある。性格上の向き不向きや、周りの環境など、結果を左右する要素は期間だけではない。しかし、何ごとにおいても、人より優れた結果を出すことは、一朝一夕でできるわけではないと、あなたも認めるだろう。

 

だからこそ、自分がやるべきこととして何を選ぶのか?が重要になる。何かを選ぶということは、何かを捨てるということでもある。どれかを選ばなければ成果をだすのは難しい。

 

何か1つ選び出すこともまた難しい。やりたい事が2つあるとする。1つに絞らずに可能性を残したいと誰しも思う。今すぐに選択をせずに、保留していれば、可能性は残されるように思える。でもそれは誤解である。時は止まってはいない。周囲の環境は刻一刻と変化していく。歳をとるということ自体が、可能性を狭めていくのだ。

 

1万時間の法則を使うと、1つに集中して、成果を出すには3年かかる。そうすると、2つ同時に実現しようとすると、取り組む時間は各々半分になるから、倍の6年かかることになる。それでも実現すれはいい、と思うかも知れない。しかし、時間がかかることによって、成功のハードルは上がってしまうのだ。

 

あなたが目指す成果に対して努力するのは、あなた1人とは限らない。スタートは同じでも、他の人が集中して3年で達成してしまったら、その相手は6年後にはもっと先を行っているだろう。あなたは、いつになってもその人に追いつくことができない。当初目標としていたことを達成しても、その時には想定した成果が得られるとは限らない。時間がかかった分、価値が半減してしまうのだ。

 

6年という歳月は、あなた自身も変化する。時間が経って、同じコンディションで居られるとは限らない。人生には様々なイベントが待っている。周囲の環境、自分の体調、家族も変わっていく。集中して取り組める時間を捻出することが難しくなるかもしれない。

 

何か1つ選ぶこともまた難しい。やりたい事が2つあるとする。1つに絞らずに可能性を残したいと誰しも思う。今すぐに選択をせずに、保留していれば、可能性は残されるように思える。でもそれは誤解である。時は止まってはいない。周囲の環境は刻一刻と変化していく。歳をとるということ自体が、可能性を狭めていくのだ。

 

人生は選択の連続だ。子供の時は、選択肢は無数にある。歳を重ねるに連れて、意識的にも無意識にも、付き合う相手を選び、進路を選び、仕事を選び、職場を選び、選択することによって、時は流れていく。無数の選択肢から、どれかを選択をするとこで、他の可能性を諦めることと引き換えに、経験と技能得るのだ。

 

未来を正確に見通すことは誰にもできない。選べたかもしれない別の人生。それを悔やんでも意味がない。人生の終わりに大きな後悔をしないためには、意思を持って選択していくことしかない。これまでの自分から決して逃れることはできないが、未来を選ぶ余地は、まだ残っているのだ。

 

 

 

 

転職とは自分を変える一つの手段

人生には、変わらなきゃならないタイミングってものがある。いくら自分はそのままでいたいと思っても、周囲が確実に変わっていくから、ずっと同じ所に留まっている訳にはいかなくなる。

 

例えば会社員として仕事をしていれば、歳をとるごとに求められることが変わっていく。

20代前半は「今できること」

まだまだルーキーだから、言われたことをこなしていれば、そこそこ評価される。ちょっと失敗しても多めに見てもらえたら、ちょっと目立つ結果を出せば評価も上がっていく。

 

20代後半になると「明日できること」

自分一人では成し遂げることはできない大きな目標達成が求められる。自分が成果をあげるためには、自分が頑張るのではなく、周りが頑張れるような環境づくりに気を配る必要が出てくる。

 

30代になれば「1年でできること」

さらに高い視点を身につけなければならない。会社の事業方針や組織の強みを活かして、より利益の上がるビジネスを創っていく役割だ。自然と関わる人数も多くなってくる。それぞれの特性や組み合わせに気を配り、柔軟に対応していかなければならない。

 

誰しもが「昨日できたこと」にこだわる。
どうしても自分の過去の実績を過大評価してしまう。努力して得られた技能や立場を失いたく無いと思うからだ。なるべくなら、このままでいたい、新しいことに手を出さず、今までうまくいっていることを繰り返すのが安心だ。今ある環境で我慢していれば、これより悪くなることはないだろう。そのように考えて、守りに入ってしまいたくなるが、それでは早晩取り残されていってしまう。

 

あなたが変りたくないないと思っていても、周囲から求められることが変わる。今日できたことよりも、明日何を達成するのか、さらにら1年先、3年先、10年先、と責任ある立場になるために求められるのは、未来へのコミットメントに他ならない。過去にこだわらず、前に進んでいかなければならない。

 

頭では理解できても、自分自身を変えるのは難しい。それは、とても苦しいことだからだ。どうしても変わっていかなきゃならないなら、自分の望みを叶えるように変化する方が良いに決まってる。

 

変化するには、自分自身の内面を変えるか、外部環境を変えるか、の2種類がある。

 

周囲の見る目、評価というのは、長く一緒にいるほど変えにくい。だから今いる環境で、周りの評価を大きく変えるのは難しい。大企業であれば、あなたが規模すれば部署の異動によって環境は変えられるかもしれない。でも、中小企業であれば、それには期待できない。人数も少ないし、業務幅も限られてしまうからだ。仕事のやり方を変えられないと、自分の苦手なことを克服するのも難しい。

 

それに対して、転職は変わる余地が大きい。新しい環境ならば、自ずと試行錯誤することになる。今までは、周囲に遠慮してできなかったことにもチャレンジできる。知らない強みで、新しい視点を持ち込めば、お互いに刺激になって、思いもしなかった成果をもたらす、なんてこともにもつながる。要は自分と周りとの関係性な訳だから、周りが変われば、あなたの評価も変わる。それは努力して自分自身を変えるよりも容易いことだ。

 

あなたが変わりたいと望むなら、今いる環境に身を置き続けることがベストとは限らない。あなたにとって、もっと心地よい環境が手に入るなら、もっと仕事がはかどる。もっと自分の力が発揮できる。そんな環境を手に入れたいと誰しも思うだろう。

 

転職が人生の一大事だと捉えると、なかなか踏み出せない。でも、自分を変える一手段だと考えれば気が楽だ。リスクも伴うが、必要以上に力を入れる必要もない。手っ取り早く、過去の自分を捨てて、新しい自分を手に入れることができる。

 

昨日の自分と、今日の自分は同じ自分ではない。明日同じコンディションで居られるとは限らない、先は長いと思ってみても、迷っていたら5年10年なんてあっという間に過ぎてしまう。一度きりの人生で、やりたいことに躊躇していると、2度のチャンスが巡って来るとは限らない。選ばなかった未来を後悔しないように生きて欲しい。

 

 

 

 

 

自分の強みを伸ばした方が良い理由

あなたは、自分自身の「弱み」には目を向けていても、「強み」を見逃してないだろうか。自分はこういう性格だから、これが苦手、ここは悪いところと、弱みを気にして、改善するために試行錯誤しているに違いない。

 

では、反対に、自分自身の強みを伸ばす努力を、どのくらいしているだろうか。伸ばすためには、自分の強みを自覚していなければならない。あなたの強みはなんですか?と聞かれたら、どう答えるだろうか。

弱みとなる性格は、失敗したり、たまに他人から指摘されたりして、気づかされもするが、反対に、ここは良いところだね、と言われると、素直に納得できないのではないだろうか。自分ではそう思えない。お世辞で言われてるかもしれない。なにか裏があるのでは、とまで深読みしてしまう。弱みは納得できるのに、強みは納得できない。この差は何だろう。

 

自分よりできる人がいる、と感じて、まだまだ力不足だと言う。または、自分では、あまりに当たり前に出来ることだから、困ったことがなく、特別なことと思わない。どちらの理由にせよ、あなたは、きっとこう思うだろう。「自分ができるのだから、このくらいのことは大したことではない。」「そんなことだれにでもできるに違いない。」

 

ここに勘違いがある。強みとは、他人に勝るから強みなのではない。強いから、結果として他人に勝るのだ。真面目な人ほど、今の自分と他人を比べると、他人がよく見えて、自分は、いくら頑張ってもダメだ、と諦めてしまう。強みは伸ばさなければ、他人に認められるようにはならない。


仕事で例えてみれば、あなたは、エクセルの集計作業は好きで綺麗な書類が作れるがプレゼンは苦手だとする。エクセルなんて誰でもできるけど、プレゼンできるのは羨ましいと思う。自分も頑張ってるけど、まだまだ不十分と落ち込んだりする。でもプレゼンが上手くて憧れている同僚は、エクセルの計算ミスが多くて上司に叱られる。綺麗に仕上げるあなたを羨ましく思ってるなんてこともある。

 

同僚が、テキパキと仕事をしているように見えたとしても、あなたと同じ気持ちとは限らない。あなたは楽しいと思える仕事が、他の人にとっては避けたい仕事かもしれない。楽しくできることは、あなたの大切な資質である。これをやるのは好き、楽しく取り組める。その良い感情を呼ぶ行動が、あなたの強みの一つである。

 

でも、苦手なことから目を背けるのは、よくないことだ、と、あなたは考えるかもしれない。それは正しいが、限られた時間の中で、なにを優先していくか選ばなければならない。

 

そもそも人の脳は、苦痛を避けて、快楽を求めるようにできているのだそうだ。だから、弱みを克服するよりも、強みを伸ばすことの方が、短時間で結果がでる。努力すること自体が楽しみにつながるからだ。嫌いなこと、辛いことを努力するのは、とてもエネルギーが必要だ。だから、ついついサボっていまう。克服には時間がかかる。

 

新しいアイデアを出すのが得意、書類をまとめるのが上手、プレゼンなら負けない、チェックさせればどんな細かいミスでも発見できる、何だっていい。最初は周りには認められないかもしれないが、好きなことは伸びるのが早いから、すぐに人に負けない強みになる。

 

強みを伸ばすことは弱みの対策にもなる。弱みを無くすと考えるのではなく、強みでカバーすれば良い。仮に書類のミスが多いなら、周囲を巻き込んで間違えにくいテンプレートを作ってもらっても良い。話すのが苦手なら、書類を完璧に作って情報共有するのだって良い。

 

強みを伸ばすには、自分ができること、できないことを、きちんと把握する必要がある。できない自分を認めるのは苦しいことだけど、同じだけ人より少しできる事だってある。自分を信じて、自分が好き、楽しい、という感情に素直に従って行動していけば、きっと道は開けるだろう。